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口腔がんについて
口腔は体の一部ですので、当然ながら「がん」に代表される悪性腫瘍も発生します。口腔悪性腫瘍では、舌がんや歯肉がんなどが多くの割合を占めます。口腔・顔面領域は、食べたり話したりという機能以外に、審美性の問題も常に伴ってきます。口腔悪性腫瘍(ここでは口腔がんと呼ぶことにします)の治療にあたっては、病変の除去のみでなく治療後の機能維持・再建をはかるために、外科手術・化学療法(抗がん剤の投与)・放射線治療などの集学的アプローチを行う必要があります。
口腔がんに関する当科のデータを以下に示しますが、中津川地区の特徴として、初診時にかなり病状が進行した(周囲組織に浸潤したり、リンパ節転移があったりする)「進行がん」が多いことがあげられます。口の中は直接観察出来る場所でありながら、患者さんからは「口内炎と思った。」、「様子を見ていた。」というお話しをよく聞きます。口腔がん、特に舌がんはがんの中でもリンパ節転移の早いがんとして知られています。早期であればあるほど治療成績も高くなりますし、治療による後遺症も少なくてすみます。なかなか治らない口内炎や1か月くらいの間に腫れてきた場所があったら、早めに受診していただければと思います。
2002年4月から2011年3月までの9年間に当科で「悪性腫瘍」診断した患者さんは総数で80名となります。その内訳は、男性53名、女性27名でおよそ2:1となっており、男性が女性の2倍となっています。また初診時の年齢は34歳から98歳であり、平均年齢は69.8歳でした。
これらの疾患が口腔内のどの場所に発生したかを下の図に示します。
発生部位としては舌がもっとも多く、続いて歯肉・口底・口蓋などとなります。
悪性化した細胞の由来(組織型といいます)は、扁平上皮がんが80%を占めますが、腺癌(唾液腺由来が多いです)、悪性リンパ腫、他部位からの転移性がん、骨肉腫や筋肉腫など多様です。
そして初診時におけるがんの病期(病期の進行度)ですが、ステージⅠ(初期がん)が12名(17%)、ステージⅡが22名(31%)、ステージⅢ(ここから進行がんとして扱います)が15名(21%)、ステージⅣが22人(31%)です。ご覧のように半数以上がステージⅢかⅣまで進行してから当科へ来院されます。
このような患者さんの5年生存率を示します。
この中には、初診時にすでにかなり進行していて根治治療が不可能と判断された患者さん、積極的な治療を拒否された患者さん、設備的に当科での対応困難であり他病院で治療をお願いしたあとに当科でフォローさせていただいた患者さんなどが含まれます。また、主たる治療に当科がかかわらない悪性リンパ腫は含まれていません。
一方、上記の症例の中で、当科で治療可能と判断して根治治療を目指した患者さんに絞り込んだ5年生存率はこのようになっております。
これらの成績は年々変化しており、また当科を受診される口腔がん患者様は近年増加してきておりますので、今後定期的にデータの更新を行っていきます。
口腔がんについて診療担当医
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