令和5年度 総合病院 中津川市民病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 262 78 58 100 157 363 618 1415 1401 597
 年齢階級別退院患者数は、当院を退院した患者さまの年齢を10歳刻みで集計したものです。令和5年度の退院患者数は5,049人でした。
年齢階級別にみると70歳~79歳の1,415人(28%)、次に80歳~89歳の1,401人(28%)、60歳~69歳の618人(12%)、90歳以上の597人(12%)の順に多く、60歳以上の患者さまで80%を占めております。(※括弧内小数点以下は四捨五入)
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 41 19.73 13.59 2.44 79.24
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 29 25.31 18.65 3.45 77.07
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 15 6.80 8.33 0 76.40
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 14.08 13.70 0 76.50
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 10.25 9.17 8.33 50.25
 当科は東濃地区最東端の病院として入院が必要な呼吸器疾患を扱っています。
肺癌の手術が必要な方は他院へ紹介させていただいております。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 125 9.86 8.75 0.80 78.37
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 54 23.06 20.60 7.41 83.98
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 47 15.43 13.52 2.13 81.91
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 39 8.46 10.92 2.56 73.72
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 36 7.75 7.61 0 77.53
 胆管結石とそれによる胆管炎は胆嚢から結石が胆管へ移動してきて起こる事がほとんどです。胆管結石の大部分は内科的な内視鏡治療で対応できますが、胆嚢結石は外科的な手術が必要です。外科的な治療ができない(年齢や基礎疾患から)場合は繰り返す場合も多く、その都度内科的な内視鏡治療が必要となります。誤嚥性肺炎や尿路感染症による入院は高齢者や基礎疾患のある方に多く、脳卒中やパーキンソン病、認知症、脱水からの排尿回数減少などが原因となります。誤嚥性肺炎の場合は通常の抗菌薬治療だけでなく嚥下リハビリも行いますが、やはり嚥下機能の改善は限界があり繰り返すことが多い疾患で命に関わる場合もよくあります。胃十二指腸潰瘍はヘリコバクターピロリ菌の除菌や制酸剤の進化により確実に減少していますし出血しなければほとんどの場合は外来での内服治療が可能となっていますが、高齢者の場合は症状に気付きにくかったり病院になかなか受診できなかったりして重症化、出血に至ったり経口摂取不良となり入院治療が必要になる機会が増えます。また心房細動や脳梗塞・心筋梗塞などの既往で内服する抗血栓剤により潰瘍のリスク自体が上がったり出血しやすくなります。穿孔(消化管に穴があく)による腹膜炎を起こさなければ投薬治療、出血の場合もほどんどのものは内視鏡止血術など内科的治療で完結します。胃癌は早期癌の場合、多くが内科的な内視鏡治療で治癒切除が可能です。早期癌でもある程度進行すると外科的な手術によるリンパ節郭清が必要となります。より早期で発見するために胃癌ができやすい状態(ヘリコバクターピロリ菌による萎縮性胃炎や血縁者に若年性胃癌の方がいる場合)の方は1年毎の定期内視鏡(胃カメラ)が推奨されています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 140 3.56 4.57 0.71 71.07
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 54 16.06 17.38 3.70 86.65
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 45 10.42 11.54 0 73.42
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 34 8.79 9.77 0 78.18
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 33 22.42 20.60 21.21 85.64
当科では地域の中核病院として、循環器領域(心臓・血管)における急性・慢性疾患に対応しております。

 心房細動など頻脈性不整脈に対する治療は、以前は投薬が主体でしたが、現在は経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)を積極的に行っています。また、急性心筋梗塞に対しては24時間体制で迅速な検査や治療に臨んでおり、冠動脈の早期再潅流(血液がもとのように流れること)のための治療を行っています。

 心不全の患者さんに対しては、可能な限り心臓リハビリテーションを導入し、同時にご家族の方も含めた生活指導や食事指導を行い自宅や施設への退院を目指しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 30 5.20 6.37 0 3.27
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 25 6.04 5.96 4.00 1.00
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 4.86 5.62 0 2.55
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 18 3.39 10.25 5.56 6.50
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 17 2.00 2.12 0 4.94
 2023年度も入院、外来とも患者数は減っていますが、少しずつ改善の兆しはあり、喘息、急性気管支炎をはじめとした症例が回復傾向にあります。新生児入院数は出生数減少もあり、増加していません。
重症の場合や特定の疾患を持つ子供さんは、連携している高次医療機関(病院など)に転院していただくことがあります。
また、小児神経疾患や心臓病なども大学病院の医師と連携し専門外来を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 38 6.39 15.12 0 66.53
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 31 16.26 8.95 0 73.74
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 30 8.80 5.98 0 72.27
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 30 6.43 5.29 0 68.9
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 23 5.74 18.01 0 38.74
 当科は、消化器外科及び乳腺内分泌外科を中心に診療を行っています。がん治療を積極的に行っており消化器領域としては消化管(胃、十二指腸、大腸)や胆のうを、また乳腺内分泌領域としては乳腺、甲状腺、副腎などを対象にしています。特に消化管領域では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。がん治療は手術をはじめ抗がん剤や放射線治療を組み合わせた集学的治療が標準的であり、ガイドラインを遵守した治療を提供しています。がん治療に関しては質の高い手術が求められ、それに加え術後後遺症やがんの再発や転移の追跡もあるため継続的な治療が非常に重要であると考えています。また、良性疾患にも幅広く迅速に対応しています。良性疾患で代表的な胆石症に関しては保存的治療と手術治療が一般的で、手術治療では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。同様に多い疾患の一つとしては腸閉塞があり、原因は術後癒着性、絞扼性または腫瘍性などがあります。治療は点滴やイレウス管挿入などの保存的治療と緊急手術があります。病状により保存的治療で軽快するものから、緊急手術が必要になるものまで様々で適切な治療を選択しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 279 31.56 25.50 47.31 85.84
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 67 26.37 21.96 0 76.82
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 50 36.52 19.34 4.00 81.78
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 46 14.50 15.66 0 72.80
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 45 2.18 4.76 0 63.38
 大腿骨近位部骨折は高齢化社会の進行に伴い近年増加傾向にあり、手術件数も増加しています。
当科では受診後早期の手術、早期リハビリを心がけています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 51 10.31 9.88 0 81.18
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 34 27.06 19.09 52.94 74.00
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 11.00 8.38 14.29 74.24
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし 12 17.58 22.61 16.67 85.08
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 2.95
 脳出血は現在でも多い脳の疾患です。ほとんどの原因が高血圧だと言われており、高齢になるほど発症が多くなります。
ADL(日常生活動作)を悪化させ、生活の質を著しく下げるため、高血圧症の方は早めに治療することが望まれます。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 14 9.93 9.31 0 31.93
120140xxxxxxxx 流産 2.43
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 20.10
120110xx99xx0x 子宮・子宮附属器の炎症性疾患 手術なし 定義副傷病なし 8.36
120150xx99xx0x 妊娠早期の出血 手術なし 定義副傷病なし 9.33
 分娩の異常には胎児心音(お腹の中にいる赤ちゃんの心臓の音)の異常、分娩時仮死(分娩中に起こる異常)により緊急に行う帝王切開術と、お母さんの骨盤異常により計画的に行う帝王切開術があります。入院期間は10日前後で、赤ちゃんのケアやお母さんの日常生活についての支援なども行っています。その他、切迫早産で経過観察が必要な妊婦さんの治療として、子宮の収縮を和らげる点滴などを行い、併せて安静を確保できるようケアを行っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx99x1xx 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等2あり 106 2.00 2.09 0 75.58
020210xx99x1xx 網膜血管閉塞症 手術なし 手術・処置等2あり 58 2.00 2.15 0 76.76
020180xx99x2xx 糖尿病性増殖性網膜症 手術なし 手術・処置等22あり 15 2.00 2.48 0 72.33
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 10 3.00 5.67 0 74.50
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 5.71
 黄斑変性は、網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、物が歪んで見えたり視力低下を起こす病気です。中でも、加齢黄斑変性は高齢者の失明原因の一つであり、近年増加傾向となっています。
網膜血管閉塞症は、網膜の静脈が閉塞し、眼底出血や網膜の腫れが起こり、視野欠損や視力低下を起こす病気です。糖尿病、脂質異常症の他、特に高血圧の人に起きやすい病気です。
糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で網膜に障害が生じ、眼底出血、網膜の腫れが起こり、悪化していくと悪い血管や膜が増殖し、失明に至る病気です。
これらの病気の治療の一環として眼内注射を行っています。繰り返すことが多く、はじめ3ヶ月ほど連続して眼内注射を行い、その後は経過を見ながら必要に応じて追加投与をします。
また、DPC対象病棟ではないので集計には入っておらず、コロナ禍の影響もあり件数はコロナ禍前よりやや減少していますが、白内障の治療が最も多く400件/年ほど行っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 118 2.0 2.03 0 37.91
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 19 3.63 6.02 0 61.16
030425xx99xxxx 聴覚の障害(その他) 手術なし 18 9.28 7.18 0 67.28
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 16 5.38 4.73 0 65.63
030250xx970xxx 睡眠時無呼吸 手術あり 手術・処置等1なし 13 7.15 8.02 0 12.00
 当科では、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの検査入院が多く、無呼吸の程度や状態を検査し治療方針を決定しています。成人の患者さんの治療は、主にCPAP(持続陽圧呼吸療法=機械で圧力を掛けた空気を鼻から気道に送り込む)を行っています。小児の患者さんは無呼吸の原因がアデノイドや口蓋扁桃の肥大であり、その治療の多くは手術となります。その他、急性感音難聴やめまいの患者さんには点滴治療を行っています。
また、慢性副鼻腔炎については患者数が前年度より約3倍と大幅に増えており、手術件数も増加しています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 47 15.87 15.70 27.66 70.68
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 19 15.63 15.57 21.05 75.00
010060x2990200 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 19.02
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし 6.25
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 7.19
 当科の主要疾患は脳梗塞の患者さんです。脳梗塞は脳の血管が突然詰まって起こる病気です。意識障害や手足の麻痺、言語障害、高次脳機能障害(知的な機能に障害が出て日常生活や社会生活に支障を来す状態)などの症状が様々な組み合わせと重症度で出現します。脳梗塞の治療は発症してからどれだけの時間が経過しているかで変わってきます。(超)急性期の治療が最も大切で、後遺症を少なくするためにも発症後できるだけ早く受診することが望まれます。症状に応じて早期からリハビリテーションの導入を行ないます。リハビリテーションは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が状態に合わせて行っていきます。長期にわたるリハビリテーションが必要な場合はリハビリテーション専門病院等への転院が必要になります。脳卒中地域連携パスを活用し、継ぎ目のない脳卒中治療を行っています。その結果、転院率は他疾患と比較すると高くなっています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 10 12.40 12.88 0 85.50
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし 2.86
130100xxxxx40x 播種性血管内凝固症候群 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 25.86
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 3.62
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 9.29
 当科では蜂窩織炎が多いです。蜂窩織炎とはなんらかの原因で皮下組織に菌が皮膚に入ることによって引き起こされる急性化膿性炎症で、原因菌は黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌ですが、他にも原因となる菌がいくつかあります。症状としては患部の皮膚にまだら状に赤くなったり、患部には熱感や痛みが出現します。感染による全身症状としては、発熱や悪寒、倦怠感などを伴うことがあり、主に抗生物質の内服薬を用いて、 患部は安静冷却を行い治療をしますが重症化すると菌血症や壊死性筋膜炎などから、敗血症となることがあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 57 3.11 2.44 0 74.65
110080xx9903xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 31 4.16 11.64 0 77.23
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 26 9.27 6.85 0 74.54
11013xxx04xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 20 5.70 5.09 0 79.90
110080xx9905xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等25あり 11 9.45 8.43 0 80.36
 当科は、主に尿路および男性生殖器に関する疾患を取り扱う診療科です。対象となる臓器は前立腺、腎臓、副腎、尿管、膀胱、尿道、陰茎、精巣、陰のうなどです。また、老若男女における外科的疾患、内科的疾患を含む様々な疾患に対しても診断、治療(薬物療法、手術療法など)を行っています。疾患の内訳は、前立腺癌・膀胱癌などの悪性疾患や、前立腺肥大症・過活動膀胱・尿路結石症・尿失禁などの疾患を取り扱っています。また尿路結石症の外科的治療では体外衝撃波結石破砕術(ESWL)があり、外来での手術が可能です。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 4.32 7.57 0 74.11
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 15 27.13 20.60 40.00 89.00
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 15 12.80 13.52 0 78.53
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 12 23.58 17.38 16.67 88.25
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 12 21.25 11.49 16.67 73.75
 腎機能が一定以上低下した状態、または検尿異常が3ヶ月以上持続した状態を総称して「慢性腎臓病」と言います。慢性腎臓病の原因としては、高血圧や糖尿病等の生活習慣病によるものと、慢性糸球体腎炎や各種自己免疫性疾患によるものがあります。それらの原因を精査して、病態に応じた治療を行っていきます。
また、末期腎不全となり腎臓の本来の働きが出来なくなった場合には腎代替療法を行います。当院では血液透析を行っており、そのための内シャント造設術を行っています。

 食物や痰が気管に垂れ込んで起こる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。基本的に体力が低下して飲み込む力が衰えた高齢者に起こる肺炎です。通常の肺炎と同じく抗生物質で治療しますが、元々の体力低下の影響もあって入院期間が長くなることが多いです。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 37 35 16 11 1 7
大腸癌 13 31 25 20 1 7
乳癌 15 19 1 7
肺癌 51 1 7
肝癌 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
<胃癌>
 胃癌のStageⅠは早期癌で多くの場合は内科的な内視鏡治療(その中のほとんどは粘膜下層剥離術)を行っています。StageⅡ、Ⅲは根治的な外科的手術適応となるので内科で検査を行った後に外科へ紹介となります。StageⅣは根治できない状態まで進行(多くの場合は遠隔臓器転移)を来しているものであり化学療法を行います。

<大腸癌>
 大腸がんの場合は内科的内視鏡治療適応のものはStage0に分類されるためStageⅠでも外科的切除適応となります。StageⅡ、Ⅲは本来は外科的切除適応となるものですが全身状態や基礎疾患、年齢により手術のリスクが高かったり希望されない場合は化学療法やがんによる腸閉塞を起こした場合の内視鏡的な大腸ステントのみで治療される場合があります。

<乳癌>
・乳癌では、病巣の拡がりやリンパ節転移、また癌のタイプなどを見ながら、手術治療のみの場合や手術前後に抗癌剤治療(化学療法・ホルモン療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬)を組み合わせた治療を行っています。 

<肺癌>
入院患者さんのほとんどは進行肺癌の方で化学療法の他に胸水制御目的や緩和療法にて入院される方もいらっしゃいます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 10.23 59.85
中等症 80 18.90 80.61
重症 15 16.73 87.13
超重症
不明
 高齢者肺炎が増加しております。当院での成人市中肺炎で多いのは中等症の患者さんとなっていますが、中等症が多い理由としては肺炎重症度評価の内、年齢項目で男性70歳以上、女性75歳以上に該当するため、高齢者の多い当地では必然的に多くの方が中等症以上と判定されるためです。重症になるにつれて入院期間が延びる傾向にあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 116 22.89 76.07 25.74
その他 20 26.35 81.85 5.15
 脳梗塞と診断された患者さんの多くは症状が現れてから3日以内に受診し治療を行っています。治療は主に薬物療法とリハビリテーションになりますが、発症から4.5時間以内の急性期脳梗塞の患者さんで治療の適応となる場合はt-PA静注療法を行っています。t-PAという薬剤は詰まった血栓を溶かす作用があり、この薬剤を使って脳への血液の流れを早期に回復させ、脳を障害から救うのがt-PA静注療法です。
症状の落ち着いた患者さんは他の病院や診療所に転院し、継続してリハビリテーションを行っています。また、ソーシャルワーカーや入退院支援センターで、スムーズに転院や施設への入所、在宅療養に移行できるよう働きかけも行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 90 2.10 11.29 2.22 79.74
K654 内視鏡的消化管止血術 62 0.23 8.77 4.84 74.44
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 57 1.53 6.68 0 77.12
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 29 2.48 3.34 3.45 73.41
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 28 1.00 5.86 0 73.57
 内視鏡的胆道ステント留置術は胆管結石や腫瘍(肝、胆道、膵がメイン)による胆管狭窄に対して行います。疾患に合わせてプラスチックステントと金属ステントとを使い分けます。閉塞や脱落が起こり得るために必要時に交換や再挿入を行います。消化管出血は多くの場合に内科的な内視鏡で止血が可能です。頻度的には大腸憩室出血、出血性胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの良性疾患が多いですが食道・胃・大腸の癌からの出血も起こりえます。癌からの出血の場合、内視鏡で一時的に止血できても癌自体が残っている限り再出血は無くなりません。内視鏡的乳頭切開術は胆管結石の除去を行う場合に行います。胆管と十二指腸の連結部が乳頭と呼ばれ、括約筋がありそのままでは結石を除去できないため電気メスで少し切開し広げてから結石除去を行います。大腸ポリープ切除術については当院では大部分を外来で行いますが20㎜前後のポリープや大腸の襞にかかったり処置しにくい場所で切除しにくいものは出血や穿孔のリスクが上がるため入院で行っています。粘膜切除術はスネアという特殊な針金を輪っか状にした処置具で切除しますが、輪っかに入らない病変で癌、もしくは癌を疑う病変に対しは針状の電気メスで切除を行う粘膜下層剥離術にて切除します。比較的難易度が高いと言われていますが習熟した医師が行うことで5㎝を超えるような大きな病変でもかなり安全に切除する事ができます。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 129 1.26 1.66 0.78 72.24
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 31 0.10 2.23 0 76.68
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 23 0.04 7.30 0 73.43
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 22 1.05 1.59 0 76.09
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 18 0.22 7.67 0 78.33
 経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)は、不整脈を引き起こす異常な心筋組織をカテーテルという細い管を用いて焼灼し、正常なリズムを取り戻す体への負担が少ない治療法です。適応疾患としては頻脈性不整脈(心房細動、上室頻拍、心房性期外収縮、心室性期外収縮など)が対象となります。東濃地区でこの治療を行える施設は限られており、当院では他施設と比べて高齢の患者さんにも積極的に治療を行っています。カテーテルアブレーションによる頻脈性不整脈の治療は、脳梗塞や心不全の予防効果も期待できます。
また、狭心症などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈ステント留置術が多くなっています。これは、足の付け根などの動脈からカテーテルを挿入して狭くなった冠動脈(心臓の血管)にステント(メッシュ状の金属の筒)を留置する手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 40 1.60 4.10 0 68.80
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 30 1.13 5.20 0 67.03
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 30 2.60 11.80 0 72.63
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 23 0.48 4.26 0 38.74
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの 12 1.00 7.42 0 54.33
 傷の小さな低侵襲手術(腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術など)は手術を受ける患者さんにとって有益性が高く、かつ治療成績もこれまでの治療と同等であることが徐々に裏付けられてきました。当院では腹腔鏡下手術を行っており、消化管領域全体で7割を腹腔鏡下手術が占めています。文字通り身体への侵襲(ストレス)が少なく回復が早いため、ニーズは今後も高く高齢者の方にも適しています。適応を十分に吟味して積極的に腹腔鏡下手術を施行し、安定した手術成績を残しております。炎症が強い時やがんの進行が高度の時は、よりエビデンスの高い開腹手術を選択します。乳腺内分泌領域に関しては専門医の指導のもと例年並みの手術が行われ、手術成績は良好でした。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 198 1.55 28.20 44.44 85.53
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 120 1.67 25.22 3.33 74.46
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 107 2.07 27.80 44.86 84.42
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 92 0.86 13.24 3.26 67.72
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓切除 46 1.11 12.39 0 72.80
 骨折観血的手術とは、ギプス固定での治癒が難しいため外科的手術で骨折した部位を正常な状態に戻す治療です。ピンニング法(針金で骨折した骨を固定)、プレート固定(金属製のプレートをあてねじで骨折部を固定)、髄内釘固定(金属製のインプラントを骨に挿入し固定)等があります。当科の場合、多いのが大腿骨の骨折に対する骨接合術です。この大半が高齢者の骨脆弱性(骨がもろくなっている状態)に起因する骨折で、寝たきり状態の原因となるため早期に手術を行い早期にリハビリを開始することで、低下した筋力を回復させ自宅に退院できるようになることを目指しています。人工関節置換術は、変形した関節を人工関節に置き換える手術で、主に膝関節や股関節に行う手術となっています。椎弓切除術は大半が腰部脊柱管狭窄症の方で、脊髄の圧迫を取り除く手術となります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 52 0.33 11.12 1.92 80.65
K1742 水頭症手術 シャント手術
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの
K1781 脳血管内手術 1箇所
 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、局所麻酔で頭蓋骨に小さな孔を開けて中に溜まった血腫を洗浄する手術です。場合によっては頭蓋骨の内側に管を留置(ドレナージ)しそこに溜まった液体を排出させる処置を行います。通常では入院期間は1週間前後です。外来通院では主に創部の感染や血腫再発有無の確認をしています。また、脳動脈瘤頸部クリッピング術や血管内治療も行っています。くも膜下出血の1番の原因となるものが、脳を栄養する動脈にできた瘤からの出血です。瘤が破裂した場合30~40%の方が48時間以内に死亡すると言われています。手術方法は開頭して瘤にクリップをかける方法と、血管内にカテーテルを通し瘤の中にコイルを留置して血栓化させる方法があります。動脈瘤に対する血管内治療としてコイル塞栓術のほか、急性期の脳梗塞に対して血栓を取り除く機械的血栓回収療法や、内頚動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術なども行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 10 0.90 8.00 0 31.00
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開
K909-2 子宮内容除去術(不全流産)
K9091ロ 流産手術 妊娠11週までの場合 その他のもの
 当科では、産科領域の手術が多く、前回の出産で帝王切開をした人や子宮破裂など出産に関わるリスクのある人に予定して行う選択的帝王切開術と、胎児仮死や微弱陣痛等、分娩時の異常による緊急帝王切開術を主に行っています。手術後の経過が良好な場合は10日前後の入院となっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 15 0 2.00 0 74.33
K204 涙嚢鼻腔吻合術
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの)
K203 涙嚢摘出術
K274 前房、虹彩内異物除去術
 当科での主要な手術は硝子体茎顕微鏡下離断術で、糖尿病性網膜症や網膜剥離など硝子体の疾患に対する手術になっています。DPC対象病棟ではないため集計には入っておりませんが、最も件数の多い手術は白内障に対する水晶体再建術で高齢者の方が多い手術となります。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 20 1.00 5.00 0 20.35
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 15 1.00 1.80 0 60.73
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)
K159 顔面神経減圧手術(乳様突起経由)
 当科では、口蓋扁桃やアデノイドを取り除く手術を多く行っています。睡眠時無呼吸症候群の治療として行う場合は小児の患者さんが多いため平均年齢は低めになっています。成人では習慣性扁桃炎や扁桃病巣感染症に対して行っています。内視鏡による副鼻腔の手術は、ポリープや腫れた粘膜によって閉鎖してしまった副鼻腔の壁を一部取り払い、広い空間にして空気や鼻汁の流れを改善する手術です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 26 1.00 7.27 0 74.54
K7981 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術 20 1.00 3.70 0 79.90
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 18 0.83 8.89 0 79.17
K7812 経尿道的尿路結石除去術 その他のもの 10 2.40 3.70 0 68.00
K8281 包茎手術 背面切開術
 当科で多く行われている膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)は、膀胱腫瘍の検査も兼ねて行っており、尿道から膀胱に内視鏡を挿入し電気メスで腫瘍を切除する手術です。術後は尿の状態などを見ながら1週間前後で退院となります。尿管ステント留置術は、尿管(腎臓から膀胱につながっている細い管)が何らかの原因で狭窄を起こした場合にステントという細い管を入れて尿管が塞がらないようにする手術です。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 26 1.92 11.42 0 74.15
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回
K608-3 内シャント血栓除去術
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。)
 血液透析を行う上で必要となる内シャント造設術を行っています。内シャントとは、皮膚の下で動脈と静脈をつないでシャント(短絡)させる手術です。通常は自分の血管をつなぎ合わせる「自己血管」で行いますが、血管が細い場合は「人工血管」を使うこともあります。
また、術後に血管が狭窄した際には、経皮的シャント拡張術(PTA)を行います。シャントが閉塞してしまった場合には血栓除去術を行います。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 13 0.26
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 30 0.59
異なる
 当院では、手術や処置前に患者さんや家族の方に十分な説明を行い、可能性のある合併症について理解をしていただいております。合併症が起きないよう最大限の注意を払いながら治療を行っていますが、手術や処置においてやむを得ず合併症が生じることがあります。合併症が生じた場合は、病状に応じて最善の治療を行っています。
播種性血管内凝固症候群(DIC)は、全身の細い血管で血栓(血のかたまり)が多発すると同時に血液が止まらなくなる状態をいいます。がんや細菌感染で入院した患者さんがこれらの基礎疾患が悪化すると発症することが多くなります。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
681 665 97.65
 「肺血栓塞栓症」は、血栓(血のかたまり)が下肢(太ももやふくらはぎ)から流されて肺に詰まる病気です。この病気は長時間飛行機に乗ったときに足の血流が悪くなり起こったことからエコノミークラス症候群とも呼ばれています。
下肢の表面の静脈に血栓ができても大きな問題にはなりませんが、深部の太い静脈に血栓ができると重症となります。できた血栓が心臓や肺に流されて、肺の血管に詰まった場合は命の危険につながることもあります。
入院などで、ベッド上で足を動かさないでいると血の流れが悪くなり、血栓ができやすくなります。また、手術や病気によって血栓のリスクが上がります。
当院では、入院時にリスク評価をして弾性ストッキングやフットポンプを使って対策をしています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1228 1046 85.18
 通常、血液は無菌状態で保たれていますが、感染が起きた場所から血液内に病原菌が侵入すると全身に広がり、菌血症や敗血症という重篤な感染症となります。感染兆候を確認したら、速やかに病原菌を特定し治療に効果的な抗菌薬を選択し投与する必要があり血液培養検査を行います。この検査の精度を上げるため2セット採取が推奨されており、その割合が高いほど評価されます。

当院では、抗菌薬適正使用支援チームを中心に抗菌薬の適正使用や必要な検査が行われるよう支援を行っています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
320 261 81.56
 今、世界では抗菌薬が効かない細菌(耐性菌)が増え問題となっています。この原因の1つに、広範囲の細菌に効果のある「広域スペクトル抗菌薬」の乱用が挙げられています。「細菌培養同定検査」は病気の原因となっている細菌を突き止め、その細菌に効く抗菌薬を選ぶことで、むやみに強力な広域抗菌薬を使用することを防ぐことができます。このため、細菌培養検査の実施率は抗菌薬適正使用の指標の1つとなり、実施率は高い方が望ましいとされています。

当院では、広域抗菌薬を使用する場合は届出制をとっており、その使用状況は医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師からなる「抗菌薬適正使用支援チーム」で支援を行っています。
更新履歴
2024年9月30日
令和5年度 病院情報の公表を行いました。