平成29年度 中津川市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 399 141 125 197 203 354 961 1393 1468 405
一般病棟に入院していた退院患者さんを年齢階級別(10歳刻み)に集計しています。
「定義」
年齢は、入院時の満年齢で集計しています。
年齢階級は、90歳以上を1つの階級としています。
「解説」
平成29年度は退院患者さんの数は全体で5,646人でした。(昨年度との差-76人)
年齢階級別にみると、70歳以上の方が全体の57.8%を占め、また、60歳以上の方が全体の74.8%を占めています。昨年度と比較すると、2.8%、高齢者の割合が高くなっています。
それに対して、0歳~9歳の小児の方に関しては、昨年度より70人減少しました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管結石やそれに伴う胆管炎 胆管狭窄に対する治療(内視鏡手術あり) 67 10.22 10.61 4.48 77.16
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎の治療 44 31.98 20.83 15.91 86.41
060350xx99x00x 急性膵炎による治療 27 10.37 11.50 3.70 66.52
060102xx99xxxx 大腸憩室疾患の治療 25 8.60 7.87 0.00 67.72
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症の治療 25 12.36 12.34 0.00 81.56
消化器内科では、胆管結石や胆管炎に対する内視鏡的治療をおこなった患者さんが1番多かったです。2番目の誤嚥性肺炎は食べ物や唾液などが気管支に垂れ込んで起こる肺炎で、点滴治療がおこなわれます。3番目は急に発症する膵臓の炎症で、4番目は大腸の憩室(腸管に袋状にできたふくらみ)疾患の患者さで、いずれも点滴治療がおこなわれます。5番目(件数は4番目と同数)は腎臓等の感染症の患者さんで抗生物質等の治療がおこなわれます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 慢性虚血性心疾患等の心臓カテーテル検査 111 2.29 3.03 0.90 71.11
050130xx99000x 心不全の治療 98 21.14 17.71 2.04 84.32
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患の塞栓除去術 52 4.10 5.68 0.00 74.25
050030xx97000x 徐脈性不整脈の手術治療 24 17.54 12.72 8.33 73.42
050050xx02000x 狭心症などの冠動脈形成術(心臓カテーテル治療) 25 5.42 4.62 4.17 72.58
循環器内科では、狭心症や慢性虚血性疾患で、心臓カテーテル検査や心不全の治療をした患者さんが最も多くあり、1番・2番を占めています。3番目は、動脈に血栓等が付着し内側が狭くなる閉塞性動脈疾患です(主に脚の動脈に多い)。治療は血流が悪くなっている部分の血管を広げたり、血栓を除去したりする処置をおこないます。カテーテルを挿入しておこなう心臓の検査や血栓を除去する治療は、患者さんの身体への負担が少なく短期間で退院できるため積極的におこなっています。4番目の徐脈性不整脈に対する治療ではペースメーカー移植術をおこなっています。5番目は狭心症の患者さんで、狭くなった冠動脈(心臓の血管)にバルーンカテーテル(風船が付いた管)を挿入して広げる手術です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 気管支炎等の治療 37 5.30 5.94 0.00 0.68
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 25 6.64 6.32 0.00 3.48
030270xxxxxxxx 上気道炎の治療 21 5.33 4.84 0.00 1.38
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎の治療 18 4.67 5.50 0.00 2.61
0400801199x00x 15歳未満の肺炎治療 16 7.94 5.70 6.25 4.06
小児科では、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症が上位となっております。平成29年度は喘息の患者さんも増えています。ウイルス性腸炎に対する治療が4番目で、水分・電解質の補給や内服治療をおこなって退院となります。また、喘息では点滴や吸入による治療をおこなっています。
集計対象に入っていない「出生時の低体重児に対する治療」が90件以上あり小児科のトップとなっているほか、「食物アレルギー検査」も積極的におこなっており、50件ほどあります。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060150xx99xx0x 虫垂炎抗生物質による治療 26 6.85 7.01 0.00 46.15
060150xx03xxxx 虫垂炎の手術治療 23 6.43 5.56 0.00 40.83
060210xx9910xx 腸閉塞の点滴治療(イレウス管挿入) 23 9.57 13.52 0.00 72.26
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍の手術治療(腋窩部郭清を伴うもの) 23 6.74 11.45 0.00 63.26
060210xx99000x 腸閉塞の点滴治療 21 8.67 8.98 4.76 64.43
1番、2番の虫垂炎(盲腸)に対する治療は、病状に応じて、手術はしないで抗生物質の投与のみの場合と、手術を行う場合とがあります。H29年度は、抗生物質の治療と手術の治療を受けた患者さんはほぼ同じ位の件数でした。平均年齢は40歳代で他の疾患と比較して若い年齢層となっています。3番目の腸閉塞は緊急で手術する場合がありますが、H29年度においては点滴治療をおこなった患者さんが多くありました。4番目は乳房の悪性腫瘍手術をおこなった患者さんが多くあります。また、5位は腸閉塞の点滴治療をおこなった患者さんが多かったです。
集計対象には入っていませんが、「鼠径ヘルニアの手術」をおこなった患者さんが97件と外科のトップとなっており、ほとんどが腹腔鏡による手術をおこなっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨骨折の手術治療 136 27.24 27.09 56.62 86.37
160760xx97xx0x 前腕骨折の手術治療 83 2.75 5.21 0.00 60.10
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎の圧迫骨折の治療 67 26.64 19.94 8.96 77.94
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄の手術治療 44 20.64 17.28 2.27 71.66
070343xx99x20x 脊柱管狭窄の注射治療 40 3.65 6.65 0.00 71.78
整形外科では、1番が転んで脚の付け根の骨が折れてしまう大腿骨骨折です。治療は骨折した部位を金属の器具などで固定したり、折れた骨頭を取り除き人工の骨頭を埋め込んだりする手術がおこなわれます。手術後しばらくはリハビリが必要となりますので、病態が安定したところでリハビリを中心とした病院へ転院する患者さんが多いです。この骨折は高齢者の方に多く見られます。2番は転んで前腕部(腕)の骨が折れた患者さんです。前腕部の骨折だけの場合では、殆どが入院した日に手術して翌日には退院します。多くは金属の板を挿入して固定する手術です。小さいお子さんから高齢者の方まで幅広い年齢層の患者さんがみられます。3番、4番、5番は背骨の疾患です。圧迫骨折に対する治療はベッド上で安静にして頂くことが多く、また、脊柱管狭窄症は神経をブロックさせる注射治療と、背骨の神経を圧迫している部分を切除する手術治療がおこなわれます。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋内損傷の手術治療 45 9.09 9.68 2.22 76.67
010040x099x00x 脳出血などの保存的治療(意識に影響なし) 35 24.80 19.10 54.29 66.83
160100xx99x00x 頭蓋内損傷の保存的治療 22 7.59 7.34 4.55 54.95
010040x199x00x 脳出血などの保存的治療(意識に影響あり) 14 31.07 21.36 64.29 80.14
160100xx99x01x 頭蓋内損傷の保存的治療(他の疾患あり)
脳神経外科では、最も多いのが頭蓋内損傷です。転んで頭をぶつけたり尻もちをついたりした後に、じわじわと脳の表面に血液が溜まり、数週間から数ヶ月後に脳を圧迫して半身の麻痺や言語障害、記憶障害などの症状が現れる「慢性硬膜下血腫」となる疾患です。1番は脳の表面に溜まった血液の塊を取り除く手術がおこなわれた患者さんです。3番目や5番目も同様の疾患で点滴等の治療がおこなわれた患者さんです。2番目、4番目は外傷がなく起きた脳出血で、出血の部位や程度、意識障害の有無によって分類が分かれています。どちらも点滴やリハビリが主な治療となり、半分近くの患者さんが転院後、継続的にリハビリをおこなっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120260xx01xxxx 分娩の異常に対する手術治療 76 10.24 9.67 0.00 32.78
120140xxxxxxxx 流産 24 2.00 2.43 0.00 33.50
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常の手術治療 18 10.56 9.75 0.00 32.89
120170xx99x0xx 切迫早産の保存的治療 14 17.07 20.41 14.29 30.07
120165xx99xxxx 妊娠合併症等の治療
産婦人科では、分娩の異常による手術が1番と最も多くみられます。これは、予め日程をきめて行う帝王切開術と、急におこった胎児心音(おなか赤ちゃんの心臓の音)の異常や分娩時仮死(分娩中に起こる異常)などによる緊急な帝王切開術とがあります。2番は流産、3番は胎児や胎盤などに異常が起きておこなう手術で、4番は切迫早産となっています。切迫早産は点滴による治療や安定期に入るまでの経過観察が主な治療です。
当院は自然分娩が中心となりますが、分娩異常の場合でも近隣病院や高度専門病院と連携を取りながら安心して出産できるように診療にあたっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx99x4xx 黄斑変性の治療 38 2.00 2.47 0.00 80.05
020210xx99x1xx 網膜血管閉塞症の治療 24 2.00 2.56 0.00 77.04
020250xx97xxxx 結膜の障害の手術治療 11 2.00 3.30 0.00 69.55
020110xx97xxx0 白内障、水晶体疾患の手術治療
020350xx99x1xx 脈絡膜の疾患の保存的治療
眼科では、視野がゆがんで見えたり、中心部がぼけて見えたりする症状の黄斑変性の治療が1番です。この疾患の件数は年々増加傾向にあります。治療としては硝子体の中におこなう注射です。平均年齢は80歳と高齢者の患者さんが多いです。2番目は網膜血管閉塞症で硝子体の中に注射する治療がおこなわれています。
集計対象には入っていませんが、「白内障の治療」が約380件あり眼科の入院患者さんの大半を占めております。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害の治療 26 5.42 5.15 0.00 66.69
030425xx99xxxx 聴覚障害の治療 25 8.88 8.14 0.00 58.12
030390xx99xxxx 顔面神経障害の治療 18 9.72 9.45 0.00 63.44
030250xx970xxx 睡眠時無呼吸に対する手術治療 17 7.06 8.31 0.00 5.06
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎の保存的治療 13 5.00 5.48 0.00 34.31
耳鼻いんこう科では、1番が前庭機能障害の患者さんです。これは、耳鳴りや難聴を伴っためまいが症状の病気で点滴治療を行っています。2番は聴覚障害で、感音難聴や騒音による内耳障害を起こした患者さんです。3番は顔面神経麻痺の治療を受けた患者さんです。4番は睡眠時無呼吸で手術をおこなった患者さんです。主にその原因となる口蓋扁桃の手術をおこなった患者さんが多かったです。5番は抗生物質等の点滴による治療をおこなった扁桃腺の病気の患者さんです。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、意識障害軽度) エダラボン使用あり 副傷病なし 71 22.48 16.38 30.99 74.75
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、意識障害軽度) エダラボン使用あり 副傷病あり 24 21.63 18.34 16.67 78.88
010155xxxxx2xx 運動ニューロン疾患等の治療 18 16.00 17.26 16.67 68.00
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、意識障害軽度) エダラボン使用なし 副傷病なし 16 22.56 16.51 31.25 77.44
010060x0990201 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、意識障害軽度) エダラボン使用なし 13 24.77 16.33 15.38 74.46
神経内科で扱う入院の疾患は、脳梗塞が最も多く、上位5位のうち4つを占めております。脳梗塞は発症してからどれだけの時間が経過しているかで治療法が変わってきます。そのため、発症後できるだけ早く受診することが望まれますが、多くは発症3日以内に受診されています。
発症1日以内の入院で、エダラボン(脳保護剤)という薬を投与することができる症例が多く見られることから、比較的早期に受診している患者さんが多いです。また、脳梗塞のほかに、別の病気にかかっていると病状が重くなることがありますが、別の病気がなく比較的に軽症の患者さんが多いです。3番の運動系の病気については筋萎縮性側策硬化症の方が進行を抑える目的で繰り返し入院し点滴治療を受けています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx99030x 前立腺癌の抗がん剤治療 42 4.31 14.81 0.00 71.45
110070xx0200xx 膀胱腫瘍の経尿道的手術治療 33 8.39 7.31 0.00 76.85
110420xx97xx0x 水腎症や尿管結石の手術治療 23 2.52 5.17 4.35 82.87
11012xxx020x0x 尿路結石の経尿道的手術治療(結石除去) 20 6.60 5.75 0.00 65.00
11012xxx97xx0x 腎結石および尿管結石の経尿道的手術治療(ステント留置) 20 4.85 7.20 0.00 75.10
泌尿器科では、1番が前立腺癌に対する化学療法で、2番は膀胱腫瘍に対する手術による治療です。3番は尿管結石など尿管狭窄に伴っておこる水腎症に対する治療です。これは狭くなった部分にステント(メッシュ状の金属の筒)を留置する手術です。3ヶ月毎にステントの入れ替えをおこなっています。4番は尿路結石の治療で、尿路内にある結石を除去対する手術です。5番は腎結石および尿管結石で尿管が狭窄している部分に、主にステントを留置する手術です。
集計には入っていませんが、前立腺癌の検査(前立腺針生検法)を受けた患者さんが90人ほどあり、泌尿器科のトップとなっています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99010x 慢性腎不全に対する維持透析 20 9.40 14.81 0.00 67.00
110280xx02x00x 慢性腎不全に対する透析導入 内シャント設置術 19 2.63 7.31 0.00 69.42
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)の治療 14 15.71 5.17 0.00 84.50
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎の治療 13 21.54 5.75 0.00 87.77
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症の治療 12 12.42 7.20 8.33 78.25
腎臓内科の主な疾患は1位と2位の慢性腎不全です。腎臓の機能が低下し自分の腎臓ではその働きができなくなると、腎臓の機能を人工的に代替するために血液透析という治療法をおこないます。血液透析をおこなうためにはシャント作成(主に前腕の動脈血管と静脈血管をつなぐ手術)をしておく必要があり、シャント作成後退院となります(ほとんど1泊2日)。そして本格的に血液透析が必要となったとき、透析導入目的で入院し透析のことや食事、日常生活に関する指導をおこなっております。3番から5番は肺炎や感染症で点滴治療した患者さんです。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 25 13 30 20 1 7
大腸癌 26 15 19 40 46 1 7
乳癌 12 16 15 1 7
肺癌
肝癌
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
[解説]
UICC病期分類とは、国際対がん連合によって定められた分類です。
①原発腫瘍(がんが最初に発生した場所にある病巣)の拡がり
②所属リンパ節への転移状況
③遠隔転移の有無
これらの要素によって5つのがんをStageⅠ~Ⅳまでに分類しがんの進行度合いを示しています。患者数が10未満の場合は「-」を表示しています。

当院では、5大癌のうち大腸癌の患者さんが多く受診されています。進行度が高い癌(StageⅣ)は、大腸癌、胃癌の患者さんが多くみられます。また、進行度が低い(StageⅠおよびStageⅡ)状態で受診された患者さんが多かったのは乳癌です。
再発して入院した患者さんが多かったのは、大腸癌の46人が最も多く、続いて胃癌20名、乳癌15名です。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 14.00 65.25
中等症 85 13.76 80.16
重症 32 16.78 84.63
超重症
不明
成人肺炎診療ガイドラインでは軽症から中等症の場合は外来治療が基本となりますが、状態によっては入院しての加療となる場合があります。そのため軽症で入院される方は少なく、当院での成人市中肺炎の患者さんで一番多いのは、中等症の85人となっています。
中等症が多い理由としては、肺炎重症度評価項目の内、年齢項目(男性70歳以上・女性75歳以上)に該当するため、高齢者の多い当地では必然的に多くの方が中等症以上と判定されるためです。
平均在院日数は軽症と中等症では差はありませんが、重症、超重症になるにつれて在院日数が伸びる傾向にあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 172 24.94 78.16 28.80
その他 19 26.05 26.05 77.21
脳梗塞等に分類される患者さんをICD10別に集計しています。
患者数が10未満の場合は「-」を表示しています。
[定義]
最も資料資源を投入した傷病名で集計しています。
発症から「3日以内」と「その他」に分けて表示しています。
転院については、転院先が「他の病院や診療所への転院」の患者さんとしています。
[解説]
脳梗塞と診断されたほとんどの患者さんが、神経内科に入院しています。脳梗塞の中には症状や、治療の内容等で細かく分類される脳梗塞もあります。当院で多かったのは「脳梗塞」と分類された患者さんです。症状が現れてから3日以内の急性期の患者さんが全体の78%を占めています。この急性期の期間に点滴等の治療をおこないます。状態が落ち着いたところで、リハビリテーションが開始され、2週間ほど続けます。平均年齢は78歳と高齢の患者さんで例年並みです。脳梗塞の患者さんの約30%の患者さんが他の病院や施設へ移っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 43 1.07 9.67 0.00 76.40
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 35 3.86 3.94 0.00 73.57
K654 内視鏡的消化管止血術 32 0.91 13.09 9.38 74.66
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 29 7.03 8.38 0.00 70.00
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 16 6.44 9.94 6.25 84.50
消化器内科でおこなわれる手術は内視鏡を挿入して行う手術です。1位に総胆管結石や胆管癌などの胆道疾患に対しておこなわれるステント留置(内視鏡を挿入して狭くなった部位にメッシュ状の金属の筒を入れる処置)術です。2位は大腸のポリープを切除する手術です。3位は胃・十二指腸潰瘍、腫瘍に伴う出血に対しておこなう止血術です。4位、5位は胆管・膵管の出口にある乳頭部を切開する手術です。黄疸を引き起こす原因となっている結石を除去し症状を軽減させています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 59 0.76 3.90 1.69 75.00
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 17 0.00 18.29 0.00 70.71
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 17 1.71 11.24 0.00 82.35
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 16 0.75 6.81 0.00 74.56
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 11 0.00 20.91 18.18 76.73
循環器内科では、閉塞性動脈疾患等に対しての血管拡張術・血栓除去術が1位となっています。また、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈ステント留置術が最も多く上位となっています。これは、足の付け根などの動脈からカテーテルを挿入して狭くなった冠動脈(心臓の血管)にステント(メッシュ状の金属の筒)を留置する手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 78 1.36 2.18 0.00 66.87
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 27 1.52 4.19 0.00 64.30
K6335 鼠径ヘルニア手術 26 1.42 2.15 0.00 65.27
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 23 0.96 4.48 0.00 40.83
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 20 0.45 3.15 0.00 62.45
外科では、腹腔鏡を使用しておこなう手術が主流となっています。1位は鼠径ヘルニアの手術です。2位は胆のう炎や胆のう結石症などの疾患の場合に胆のうを摘出する手術で、4位は虫垂炎(俗に言う盲腸)切除術です。鼠径ヘルニアは病態や切除する範囲により手術の方法が異なります。3位は開腹しておこなった場合の鼠径ヘルニアの患者さんです。
5位は悪性腫瘍の薬物治療のために腹腔内に専用のポート(器具)を埋め込む手術です。
その他、集計上疾患のコードが細分化されているため件数の上位には上がっていませんが、結腸がんや直腸がんに対する手術も数多くおこなっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 109 1.12 22.52 43.12 79.25
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 70 1.86 27.77 2.86 73.29
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 65 1.97 25.80 50.77 85.65
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 53 2.06 16.89 1.89 71.72
K0732 関節内骨折観血的手術(胸鎖,手,足) 52 0.98 9.94 3.85 67.75
整形外科では、骨折の手術が最も多くなっています。1位は大腿骨骨折の手術です。2位は人工関節を交換する手術です。これは、人工の骨頭などを埋め込むと、関節の軟骨が磨り減って痛みが出てきたり、関節の動きが悪くなったりした場合におこなわれます。3位は足の付け根の骨が折れ、大腿骨の骨頭を人工のものと入れ替える手術です。4位は脊髄(背骨の中にある神経)を圧迫している背骨の一部を削り、金属の器具で固定する手術です。病態をみながらリハビリが必要となります。5位は手や足の関節付近に起きた骨折の手術です。比較的入院期間が短くなっています。殆どの骨折手術は、術後にリハビリが必要となります。また、リハビリを継続的におこなうため、他の施設等へ転院することもあります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 43 1.78 11.16 4.65 78.28
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内)
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術
脳神経外科では、1位の頭蓋内損傷による慢性硬膜下血腫に対する手術です。頭部の骨に小さい穴を開け、脳を覆っている膜(硬膜)の下に溜まった血液を注射器等で吸いだす手術です。高齢者の方に多くみられます。そのほか件数は少ないですが、脳動脈瘤(脳の動脈にできたこぶのようなもの)クリッピング術はその瘤に小さなクリップをかけて瘤の血流をとめる手術です。緊急手術となる場合が多く、手術後は状態に応じたリハビリが必要となります。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 54 1.19 8.00 0.00 32.72
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 43 1.58 8.07 0.00 32.77
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 23 0.00 1.00 0.00 33.35
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式)
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)
産婦人科では主に、胎児仮死や微弱陣痛等の、分娩時の異常による緊急帝王切開術が1位です。次に前回のお産で帝王切開をした人や子宮破裂等の出産に関わるリスクのある人には、予定して帝王切開術がおこなわれ、これが2位となっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 380 0.00 1.14 0.00 76.21
K224 翼状片手術(弁の移植を要する)
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
K279 硝子体切除術
K225-3 結膜肉芽腫摘除術
眼科の手術のほとんどが、白内障に対する水晶体再建術です。これは、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術です。この手術を受ける方の平均年齢は76歳です。そのほか、翼状片に対する手術や眼瞼下垂症に対する手術も行なっています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 35 1.11 5.06 0.00 11.80
K368 扁桃周囲膿瘍切開術
K319 鼓室形成手術
K340 鼻茸摘出術
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術)
耳鼻いんこう科で最も多いのは、睡眠時無呼吸や扁桃炎などに対しておこなう口蓋扁桃の手術です。ほとんどが小児の患者さんです。手術を受けた患者さんは少数ですが、扁桃周囲膿瘍の切開術や鼓室形成手術もおこなっています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 61 0.41 5.16 3.28 77.48
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 35 1.91 5.60 0.00 76.77
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 22 0.05 1.05 0.00 74.95
K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他のもの) 17 1.00 4.71 0.00 64.12
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) 15 1.67 4.33 0.00 68.60
泌尿器科では1位が尿管ステント留置術です。腎臓と膀胱をつなぐ管(尿管)が腫瘍や結石などで狭くなったりふさがれたりした状態を改善するための治療です。2位は比較的早期の膀胱癌に対する治療で、尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除します。3位は腹部の皮膚から尿管にある結石にめがけて衝撃波をあてより細かく砕き、体外への排出を容易にするための治療です。4位、5位は部位により異なりますが、結石に対する手術です。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 28 2.46 6.50 3.57 71.68
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈)
K608-3 内シャント血栓除去術
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)
腎臓内科では、慢性腎不全の患者さんに対して人工透析に必要な内シャント設置術をおこなっています。
前腕部の動脈血管と静脈血管をつないでシャントを作成する手術です。血管が細い患者さんの場合は人工血管を使用することもあります。また透析導入後のシャントの狭窄、閉塞、感染などのトラブルに関して血管内治療をおこなっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 13 0.23
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 52 0.92
異なる
※発生率:各項目の症例数を分子、全退院患者数を分母として計算
[解説]
「同一」は、入院中に最も治療を多く行った傷病名と入院のきっかけとなった傷病名が同じ場合をいい、「異なる」はそれらが異なった場合を言います。
患者数が10未満の場合は、「-」を表示しています。
[解説]
当院では、手術や処置などの後に合併症を起こした患者さんは52人(全体の0.92%)です。主に、人工関節や留置カテーテルなど体内への挿入物に関連した感染症を引き起こす合併症です。その他、手術後の創部の感染、術後出血などがあります。敗血症の患者さんは13人で、やはり体内への挿入物に関連して引き起こした感染症が主な原因となっています。
更新履歴
2018/09/29
新規登録
2019/01/07
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